この手だけは、ぜったい離さない




『え、じゃあ宇月にまだ告ってねぇの?』

『あー……まぁ、そういうことだな』



朝、靴箱でノリと会ったときに昨日はやっぱり直前でビビッてしまって告白できなかったことを話した。

俺が思っていたとおり、やっぱりノリは呆れてため息を吐いた。



『ったく、なにやってんだよお前は。男らしくねぇなぁ』

『……今日こそはぜったいに言う』

『ビシッと決めてこいよな、マジで。なんなら協力してやろうか?』



女子の賑やかな笑い声が耳をつく教室の中で、さっさと自分の席に座ると隣の席にノリも座った。



『いや……大丈夫。今日もまた一緒に帰ろうって誘ってみる』

『本当に大丈夫かよ、お前』



大丈夫だろ……たぶん。



『洋くん、荒井くんと話してるところごめんね?今ちょっといいかなぁ?』



うおっ、びっくりしたあかりかよっ!

いまさっきの話し……もしかして聞かれたか?



『なに?いいよ』



勢いよく席を立った俺の手のひらから、じわっと汗がにじむ。

教室の中であかりの方から声をかけてくるとか、珍しいじゃねぇか…。

いったいなにを言うつもりなんだ……⁉



『あのね、今日の放課後…一緒に帰れるかな?』



……なんだって?