この手だけは、ぜったい離さない




好きなら告れだって?

簡単に言いやがって。

告白してフラレたらどうするんだよ。



6年間もあかりのことを待ってたんだぞ?



『あかりが俺のことをどう思ってんのかわかんねぇのに、告れるわけねーだろ。俺はぜったいにイケるってタイミングで告りたいんだよ』

『ぜったいにイケるタイミングっていつだよ。そんなこと言ってると、マジで追野に宇月をとられるぞ?』



ノリが『地味だしムカつくけど、よく見りゃまぁまぁ可愛い顔してるよな?』とかって、さらに俺を焦らせてきやがる。



だからって急いで告白して失敗はしたくない。

ここはもう少し、あかりとの距離を縮めてからだ。



告ってフラレたりなんかして、気まずい関係にはぜったいになりたくないからな。




『明日の帰りは暇かなって思って。アイスでも食べに行く?』



さっそく俺は、あかりとの距離を縮めるべく行動に移し、ぶじに約束をとりつけることができた。



『じゃあ洋くんっ。アイス屋さんに連れてってくれますかっ?』



おー……子供みたいにはしゃいでるけど、あかりはそんなにアイスが好きだったのか?

つーか可愛いな…見ててぜんぜん飽きねーわ。