あかりの口から、恋愛はまったくしてなかったって聞いたときは『あぁ……そっか。はははっ。そっかそっか、そういうことかぁ』安心してしまって、ついつい笑ってしまった。
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『洋、お前にしてはやけに積極的じゃねーか?一緒にかえらねぇ?とか言って』
あかりからもらったタバコみたいなラムネをブレザーのポケットに入れたまま、俺はタツヤの部屋の座椅子でくつろいでいた。
6畳くらいの和室には、タツヤが口から吐いたタバコの煙が充満している。
『なぁ、あの子誰なんだよ?見たことねぇ子だな』
タバコの灰を缶の中にジュッと落としたカズも、タツヤと一緒になってニヤニヤしながら俺を見てくる。
『幼なじみの子だよ。小学生のころに転校して、んで6年ぶりに帰ってきた子』
いつもならついてすぐタバコに火をつける俺だけど、この日はポケットの中のタバコには手を伸ばさなかった。
『ふーん?で、洋はあの子のことが好きなんだなぁ』
『女子に話しかけようともしない洋が、一緒に帰ろうって言うくらいだもんな?』
『おい、なんだよお前ら。その腹立つニヤケ顔は。ぶん殴ってやろうか』
……あぁ、もう。
こうやってからかわれるのはわかってるから、あかりが好きだってことは隠してぇんだけどなぁ…。
あかりを前にしてしまうと気持ちが隠しきれねー。
こうやって周りにどんどん、俺の好きな人はあかりっていうのが広まっていくのか…。


