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「みっちゃーんっ、おはよーっ!」
数人の生徒やご近所のお婆さんが見えるバス停で、青いベンチに座るみっちゃんを見つけた私は、いつものことながら手を振って駆けよった。
「おはよー、あかり。あっ、そうそう!あかりに教えなきゃって思う話しがあってさぁ」
「うん?なになに、どうしたのみっちゃん?」
みっちゃんは周りにいる数人の生徒を気にしながら、私の耳元にぐっと顔を寄せて声をひそめた。
「昨日の夜に1組の友達からラインがきたんだけど。仙崎くんって宇月さんと付き合ってるの?って聞かれたよ」
「そうなの?ってことは、私と洋くんが付き合ってるって噂が流れてるの?」
「そういうことだね。だって仙崎が女の子とふたりで帰るなんて、ありえないことだからね」
洋くんがどうして私とだけは、一緒に遊んだり帰ったりしてくれるのかって。
そんなの、幼なじみだしいちばんの友達だからだよ。
だけど……洋くんの彼女は宇月あかりだって思っている子がいるなんて。
嬉しいやら恥ずかしいやら、複雑な気持ちだな。
「そこはもちろん、付き合ってないよって否定してくれたんでしょ?」
「したよ。そしたら良かったって安心してたよ。実は仙崎くんのこと、前からかっこいいって思ってて気になってるんだよねって」


