だからちょっと、神田さんと一緒にお弁当だなんて緊張する。
けどやっぱり、これを期に仲良くなりたいな。
「うん、いいよ食べよう」
って私が言うよりも先に、はるちゃんと神田さんに笑顔を返すみっちゃん。
みっちゃんは神田さんともはるちゃんとも、同じ中学校だったから仲がいいみたいで。
「隣に座りなよ」っていいながら、快くふたりを受け入れている。
「うわっ、美月ちゃんのお弁当箱3段じゃん!細い身体してるのによく食べるね〜」
「そういう遥ちゃんは、弁当箱細長くて小さすぎない?足りるの?」
みっちゃんとはるちゃんが楽しそうに会話をはじめた横で「宇月さんって、都会から引っ越してきたんだってね?」と、神田さんに話しかけられた。
「あっ、うん!小学3年生まではホタルの里公園の近くに住んでたんだけどね、お父さんの仕事の都合で都会に住んでたんだぁ」
「へぇ、そうなんだ?じゃあ美月ちゃんと同じ小学校だったんだね。都会ってデパートとかいっぱいあるし、羨ましいなぁ」
「でも人も車も多くて騒がしいから、私はいま住んでる田舎の方が住みやすいかな」
神田さんに話しかけられたときは緊張したけど、話してみると思ったよりも話しやすくてほっとした。


