だって私、思えばずっと前から洋くんのことが好きだったんだと思う。



洋くんと一緒にいると楽しいのも、安心するのも、お爺ちゃんとお婆ちゃんになっても一緒に歩きたいって思うのも。

今思えばそれが『好き』ってことなんだって。

私のはつ恋だったんだなって。



今朝バス停でみっちゃんに会ったときに、洋くんのことを好きになったのって告白したんだけど。

そのときにみっちゃんなんて『薄々気づいてたよ』って、特に驚くこともなくって。



小学生のころから洋くん洋くん、って言って嬉しそうに笑ってたもんね。

それってあかりはもうとっっくの昔から、仙崎のこと好きだったってことでしょ?



そうみっちゃんに言われたときに、私は洋くんに寄せていた『いちばんの友達』っていう強い想いこそが恋なんだって気づいた。



都会にいってからも、洋くんが啓太くんにイジメられてないか心配で心配でたまらなかった。

洋くんは今なにしてるかなって、そういえばあのときはこんなことしたなって。

思うのは洋くんのことばかりで。



6年ぶりにこの町に戻ってきたときも、いちばん会いたかったのは洋くんだった。



『そうだね、みっちゃん。私、ずっと前から洋くんのこと好きだったのかも』

『恋のライバルが現れてようやく気付くなんてね……鈍感すぎて笑えないよ、あかり』