この手だけは、ぜったい離さない




追野くんとふたりして振り返ると、そこには息をきらせながら笑っているはるちゃんがいた。



「あかりちゃんともっと話したいなって思って。でも……今日は追野くんと一緒に帰るのかな?」



「いや、僕はこのあと塾があるから」と言った追野くんと「いや、ちょっと話してただけだよ」と言った私の声が綺麗に重なった。



「じゃああかりちゃん、近くの公園でちょっとガールズトークして帰らないっ?」

「そりゃあぜんぜん……いいけど」



まぁ、ドラマはいつでも見れるしね。

追野くんに「また明日ね」と手を振り、校門を出てすぐのバス停を通りすぎた私とはるちゃんは、付近の住宅街に入った。



「私の家、この近くなんだ〜」

「そうなの?いいね、徒歩10分くらいで学校に行けるから羨ましい」



この住宅街にある家はどれも最近建てられたって感じで綺麗だし、どの家も花や緑が植えてあってすごく雰囲気がいい。

それにこの近辺は駅もあるしスーパーもあるし、私の家がある付近と比べて利便性もいい。

あらためて、はるちゃんっていいところに住んでるなって思った。



「あかりちゃんの家は?いつもバスで来てるから遠いのかな?」

「んー…この辺りと比べたら遠いかな?って言ってもバスで30分くらいだからそれほどでもないのかな?」

「へぇ、そうなんだ?じゃあまいにち早起きしてるんだね」