するとはるちゃんはぱっと花が咲いたように笑って「そうだよねぇ、ほんっと仲のいい友達だよね」と、嬉しそうに頷いていた。
あれ……怒ってない?
はあぁ、それならよかった……。
はるちゃんのすぐ隣で手なんか振り返しちゃったから「チッ、洋と仲良くしやがって」っとかって睨まれるんじゃないかってヒヤヒヤした。
「私ね、実は洋があかりちゃんにばかり話しかけてるから嫉妬してたんだよね」
「えっ……?」
「でもさ、洋って自分から女の子に話しかけたりってしない人なの。それなのにあかりちゃんにだけ話しかけられるってことは、洋にとってあかりちゃんは本当にいい友達なんだなって思ってさ」
荒井くんと話す洋くんの横顔を眺めながら、微笑んでいるはるちゃんの瞳はハートマークになっている。
洋くんにとっても私は、本当にいい友達……かぁ。
そうだよ、だって私たちはいちばんの友達だもん。
洋くんが私にだけ話しかけてくれて。
私にだけご飯を誘ってくれて。
私にだけ一緒に帰ろうって言ってくれるのは、いちばんの友達だからだもん。
女の子にはまるで興味がない洋くんなのに。
それなのに私にだけ話しかけてくれるのは。
そう、はるちゃんが言ってるとおり。
洋くんは私のことを、女の子として見てないからだもん。


