今まで散々だった
おばさんと私は性格が合わなかった


小さい頃
私が
『これが欲しい!』
って言うと

『そんなの使わないでしょ?』

と言われ

こけて泣いていると

『うるさい』
と言われ

少しでもわがままを言ったら
暴力を振るわれた

大きくなっても
機嫌が悪ければ私を殴った

それでもおばさんから逃げなかったのは
おばさんも私を拾いたくて
拾ったわけじゃなかったから

ある日私は玄関に捨てられていて
それをおばさんは仕方なく拾った

だから自分だけ逃げるのは卑怯だと思った


『…み……う…うみ!』

『へ?』

『へ?じゃない
そろそろ着くぞ!大丈夫か?』

ボーとしてた
気がつくと私の見慣れた道を車は走っていた