僕には好きな人がいる。

日本史担当の
其原霧月先生。

名前の通り“男の人”だけど
あの日、僕は恋に落ちた。

先生は覚えていないだろうけど
あの日、僕はイジメっ子から
逃げていて、偶々
近くを通りかかった先生が
教官室に匿ってくれたんだ。

振られるのはわかってるけど
終業式の日、
つまり、クリスマスイブに
言おうと思っている。


『俺に言いたいことって?』

終業式の後、僕は
先生を中庭に呼び出さした。

今は二人だけしかいない。

『先生のことが好きです』

『知ってたよ。お前が
俺のことを好きなことなんて』

嘘⁉

『付き合うか』

此処が学校だからか
僕の耳元でないしょ話のように
小さな声で囁いたから頷いた。

伝えられるだけでいいと
思っていたのに
クリスマスイブに
恋人になれて僕は幸せ者だ。

~end~