でも、数秒たっても何も起きない。 目を開けると月乃さんが真っ直ぐ私の目を見て言った。 とても小さな声だったが確かに聞こえた。 「ごめんなさい。」 そう言って彼女は走り去っていった。 月乃さんは本当はとても優しい子なのだろう。 私みたいに自分を守るだけのためではなく、他の子も助けられるような子なんだ。そう思った。 私は屋上の扉を開けた。 「成…」