偽物の気持ち






成は教室には居なかった。

もしかしたら、屋上かなと思い向かった。

すると、中から話し声が聞こえてきた。


「成…私、成のことが好きなの。」


「俺は…好きな人がいるんだよ。」


怒っているような、泣きそうな成の声。

初めて聞いた声に私は驚いた。


「なんで、なんであんな先輩がいいのよ!少し可愛いからって彼氏とっかえひっかえしてるような女なんて…最低な人じゃない!」


その女の子の声はさっきも聞いた声だと思った。

月乃さんだった。
月乃さんの言ってること全て当てはまってる。
だけど、あーゆうことしないと私は崩れ落ちてしまう。

ただの自己満足だと周りから思われるだろう。

だけど、それでもいい。

今の私はそれにしか頼れないのだ。