「成。教室に行かないと遅れるよ?」 「あ、はい!放課後教室で待っててくださいね!」 そう言って成は自分の教室に走って行った。 はぁ。 小さいため息をついた。 「なーにー?朝から暑いわねー!」 話しかけてきたのは、幼なじみの加藤 那津(かとうなつ)だった。 「うーん。」 と苦笑いをして、話をはぐらかした。 私は、周りにも嘘をついている。 誰も私が本当に好きなのはアイツだと知らない…