偽物の気持ち





「ごめん。それだけは嫌だ。苗字ならいいよ。」


「俺は下の名前で呼ばれてるのにな…?」


成は笑顔を浮かべながら、だけど目は笑っていなかった。

私は、成が引いてくれないのを悟った。


「わ、かった…」


小さく答えた。

成は私の頭をポンと優しく撫でた。

たまに、成は私を小さな子どものように扱ってくる。

でも、なぜかそれが落ち着くときもあった。