偽物の気持ち






「あっ!春ー!」



那津が、大きな声で私を呼んだ。

私は無視するわけにもいかず、手を振った。


「春、アイス食べてるの?あ、カップルデーだもんね!」

「う、うん。」

「あの、先輩の友達ですか?」



成が、戸惑った顔をして訪ねてきた。

本当は二人に紹介したくなかった。

私は今まで、彼氏が出来たことは話すが相手のことまでは教えてこなかったからだ。


「あ、これが噂の彼氏くん?一年だよね!大沢成くん!イケメンで有名な!」


那津が楽しそうに声を上げている。

それを見た日向が、やめろよと止に入っている。

私は戸惑った。