偽物の気持ち






成にどっか寄りませんかと誘われて内心は早く家に帰りたかった。

だけど、断ったら申し訳なくなる。

だから、私は作り笑いをしながらオッケイをした。

どこに寄り道しようか楽しそうに考えている成を見上げながら、嬉しそう…と思った。



「いらっしゃいませー!」



私達は、近くのアイス屋さんに入った。

今日はカップルデーだったらしい。

周りには幸せそうなカップルたちでいっぱいだった。

私はそれを見ながらこんなことしてていいのかなと不安になった。


「先輩何にします?」


声をかけられて我にかえった。


「チョコにしようかな。」


笑顔を作って無難なものを選んだ。

成は、バニラチョコを選んでいた。