ビリヤードってあれでしょ?
薄暗い部屋の中で、スーツを着た伯爵やチャイナドレスの売人が長い棒で球をつくアレでしょ?
球ひとつにウン千万とかお金が動いちゃうアレでしょ!?

うーん。

なんか若干漫画の読み過ぎって気がしなくもないけど、どうにもそんなイメージが先行する。
冷静に考えれば、私の地元にそんなもんあるわけないんだろうけど。

とにかく問題は、そんな怪しげな場所に王子が入ってったってことですよ、ええ。

これ以上深入りするとヤバいんじゃ……なんて思ったけど、好奇心には逆らえない。


階段を降りると、奇しくも扉はガラス張り。

私は体を壁に半分隠しつつ、その中をおそるおそる覗き込んだ。