偶然トイレの近くで話している
女子の声が聞こえた。
私のことだ…。

ドキンドキン…

恐怖で鼓動が増していく。
髪の毛を結んでいた手の力や、
私を支えていた足の力が抜けていくのがはっきりとわかった。


「なにそれ、付き合っちゃってんの?」
「なんか調子のってない?ムカつくし」

怖い…。
みんなで私の悪口を言っている。
その声がだんだん私のところへと近づいてきた。
いっそ耳をふさぎたい。


逃げなきゃ…。


とっさに私はトイレへと隠れた。