「おーい、学年委員!!ちょっと用があるから来てくれー。」

先生に呼ばれ、私は先生のもとに向かおうと少し小走りで走った。
面倒だなあ。何だろう…。


「ち、千紘…!!!!」


陽君が私の名前を呼んで、腕を強くつかんだ。

「い、痛い…」
「あ…わりぃ…ごめんな。」

私が言うと陽君は視線を下に落として手を離した。
廊下が賑やかで私たちの会話さえ響かない。
人が多くすれ違う中で私たちは立ち尽くしていた。
つかまれた場所が熱くて、火照っているのが確かだ。
熱い、熱い。
鼓動も早くなり、つかまれた場所を抑えていた。