「千紘ー!!反省文今日提出だぜ?」
「ええ!!??全く書いてないじゃん!」

陽君と関わるようになって私は明るくなった気がする。
いや、自分で言うのもなんだけどね。
ただ、体から“辛かった何か”がスーッと抜けていった感じがした。
とにかく、変わったんだ…。

「萩原さん、明るくなったね!今までいろいろ勘違いしちゃってたね。」
「明るいほうが可愛いよ!」

これもすべて陽君のおかげ…。
陽君に心から感謝している。
口では、恥ずかしくて言えないんだけど、
いつか言えたらいいな…って。
自分でも顔が笑っているのがわかった。

もう季節は冬が近づいてきている。
頬には刺さるように寒い風が当たる季節。
秋には見事な赤色だった紅葉も今では茶色くなり儚く散っていく。
寂しさを覚えさせる北風。
この季節になるとなぜか憂鬱気分。
この季節は苦手。
持ってきたカーディガンを着ながらそんなことをおもっていた。