「陽、退学じゃなくてよかったー」
「本当だよね!!嬉しいー!!」

クラスからはこんな声が漏れる。
本当によかった…。

あの日、理事長を説得させて退学にはならずに済んだんだ。
だけどその代りに、反省文50枚だけどね。
でも退学よりだったら、ずっとずっといい。


「萩原さんのおかげだよね、本当にありがとう!!」
「この前はいろいろ悪く言ってごめんね?でも友達だもんね!!」

あのころのような痛い視線はどこかへと消えていったようだった。
みんな円満で、仲のいい。
これが私が待ち望んでいたクラス。

“友達”か…。
その言葉だけが、新鮮に頭に響いた。