あの後この子は、いなかった。

『次は、かくれんぼ?』

私は、周りを見渡した。

いない。

私は、妙な違和感を覚えた。


同じ神社のはずなのに違う…


おかしい。ここには数年前に撤去された遊具がある。
一瞬いや、数分くらいで音もなく設置できるはずがない。

もしかして、本当に?

すると、鳥居の方から聞き慣れた声がした。

なんとなく見つかっては、いけない。
そんな気がした私は、神社の後ろに隠れた。

「あー!何で、あいつわかってくんないんだろー?」

大きな声を出しながら、制服を着た私が現れた。

えぇ!私?
嘘!?戻ったの??
もう一度私は、絵馬を見た。

じわじわと文字が浮かび上がった。

ん?

【残ったままの温度、誰も知らず後悔の海へ沈むまま…】

何これ…

「神様!どうか!どうか!告白できる自信を!!今日こそ!」

高校生の私は、両手を力強く合わせていた。


『毎朝来ては、拝んでたっけ…懐かしいな』

私は、静かに覗いてこの後どうするか考えていた。