「ご、ごめ。凄く気持ちは嬉しいんだけど
い、今は。
今すぐ仕事がしたい。」
やり残した仕事なんてないけど
今抱えてる案件をもっとがむしゃらに
向き合いたい。
無性に。
新入社員の頃の私のように
仕事に私の体力を費やしたい。
こう思わせてくれたのは、私の髪をいつも一生懸命に切ってくれていた和田君。
「ありがとう。和田君。
君の仕事の熱量。やる気。
全部伝わった。今まで気づいてなかったけど
私もすっごい今の仕事が好きなの。
だ、だから気づかしてくれてありがとう!」
好きになってくれてありがとう。
とも言いたかったけど、それは辞めておいた。
気持ちには答えられないから。
私の好きな人は竹下。
好きなことは仕事。
どっちも手に入れてやる。
がむしゃらに粘ってやる。
若い頃の私のように。

