和田君は鏡の私に一瞬目を向けて 少しハニかんだ後、また私の髪に視線を向けた。 「好きですよ。 手先の感覚が研ぎ澄まされる感じ。 仕事に夢中になれるって最高の気分です。」 仕事に夢中に。 そいえば、最近は若い頃みたいに仕事に没頭することって無いかも。 何となく中堅の立場になって 視野を広げないと、後輩の指導もしないといけない。 仕事の量も増え、1つの案件で頭を抱えるほど悩むことなんて無くなった。