「実はここの美容室、彼の家から近いのよ。 だから 泊まりに行った帰りにここに寄るって感じだったし。 まぁ彼って言っても お付き合いしてたわけではないんだけどね。」 和田くんはスキバサミに持ち変え、手早く整えていく。 「へぇ、泣くほどなんて。 相当好きなんですね。そいつのこと。」 「私からお別れしたはずなのに 辛いの。 自分の気持ちに気づくのが遅すぎたのよ。 長い間、恋愛していないと 忘れちゃうのかも。 恋の仕方を。 和田くんも気をつけたほうがいいわよ。」