「アキト。きて。我慢しないでいいから。」 私は竹下の頭を抱きしめて 髪をクシャクシャにするように撫でた。 「俺 余裕ないから。マジで先輩のこと壊すかもしんないよ?いい?」 「私はいつもより こっちの方が好きだから。 そのかわり 私の事も名前で呼んで? 今日は恋人同士なんでしょ?」 竹下の余裕の無いその表情は 捨てられた子犬のような目をしている。 あぁ。私が竹下を捨てるんだ。 この道を選んだのは私だから。