「ハァ。ちゃんと髪の毛拭かないと風邪ひくわよ?」 荒くなった息をなんとか整えながら 彼の濡れた髪を触った。 暗めの茶髪が濡れて 髪の毛の先から雫がポタポタと垂れている。 彼の髪を撫でる私の手を 彼は上から握った。 「先輩の熱で乾くでしょ?」 私の熱。さっきから 全身が火照っているのが自分でもわかる。 「……もし風邪ひいても もう面倒見れないわよ。」 「そうですか。寂しいですね。」 握った手をそのまま恋人のように握り。 手にチュッとリップ音を鳴らし キスをした。