先日のことを思い返している間に持ってきたのか、女は食事を俺に与えてくれた。
スープとパンだ。
「…ありがとう。」
俺は食事をした。
「うまかった。ありがとな。」
「いえ…。」
女は微笑むと、からっぽになった食器を持って部屋を出ていった。
そういえば俺はなんで記憶を失ったんだ?
俺は思い出そうとする。
「・・・」
……思い出せない。
俺はなぜだか悲しい気持ちになった。
なぜだ?なぜこんなにも悲しいのだ?
そんなに忘れてしまったことが悲しいのか?
そんなに、、、大切なことだったのか?
俺は溢れ出そうになった涙をこらえる。
女が部屋に戻ってきた。
金髪で、髪をおろしていて、髪の長さは肩に少しつくぐらいで、澄んだ緑色の瞳で、白い綺麗な肌で、優しく微笑むその女。
俺にとって特別な存在、そんな気がしてならない。