次の日、窓の外を眺めていると、コンコンとノックがして、病室のドアが開いた。
そこには、はるがいた。
「はる?」
はるは、僕の元に駆け寄ってきて、ばっと抱きついてきた。
「ひなたくんのバカ!」
それだけ言って、僕の胸の中で泣きじゃくる
「ごめん。」
僕は、はるの頭を撫でて泣き止むのを待った
はるは、涙で濡れた顔で僕を見て、また小さな声でばか。と言った。
僕はまたごめんと謝り、はるの目元を拭う。
「ただの貧血だからもう、大丈夫だよ。」
僕が心配して欲しくなくて、
そう告げると、
はるは今まででいちばん怒った顔をする。
「なんで、ひなたくん嘘つくの
なんで、なんにも教えてくれないの
なんで、なんで、」
はるは、そう言ってまた泣き始める。
お願いだから、もう泣かないで。
そんな顔しないでよ。
胸がチクチクと痛む。
「ひなたくんが早退した日からぜんぶ、
ぜんぶ知ってる。
昨日会った時、話してくれるかなって思っ
たのに、ひなたくん誤魔化してばっかり。
私から言おうと思ったけど、ひなたくん
のこと信じてたから、話してくれるの
待ってたのに。」
信じてたのに。はるのその一言が心に突き刺さる。
僕を、信じていた。
「信じててくれたのに、ごめんなさい。」
ごめんなさい。僕は繰り返し謝ると、
はるは、大丈夫だから。だからお願い話してよ。
そう優しく僕の手を握って言ってくれた。
それに安心して、少しづつ話し始めた。

