でも、僕はその手をつかむことは出来なかった。 「ごめん。」 それだけ言うのがやっとで、僕は俯いてしまった。 「ひなたくん帰りたくない理由があるの?」 ブランコに座ったままの僕に視線を合わせてはるがしゃがんだ。 「ごめん。なんでもない。」 そう言って、はるを公園にひとりおいて、僕は走って家に帰った。 それを、星空が見ていたのも知らずに。