俺は照れ隠しに水野の頭をグシャグシャと撫でた。

撫でている間は目が合わないから、その間になんとか赤くなった自分の顔を元に戻すために深呼吸をした。


「先輩、呆れました・・・?」

「呆れてねぇよ。水野が俺のストーカーだって分かっても、自慢の後輩だよ」

「ストーカーって言わないで下さいよ〜!」


本当はすごく嬉しかった。

今までは気を引こうとされるばっかりで、こんな風に純粋に憧れて真似をするなんてことをしたのは水野くらいだ。


「水野、隣おいで」

「・・・え?」

「こっち。俺のとなり。手帳見せてやるよ」

「い、いいんですか!?」



まずいな。

俺は水野のこと、可愛いと思ってる。



「すごい!見やすいです!やることをリストにしてきちんとまとめてるんですね!」

「おう。こっちは優先事項。そっちが時間があるときにやることリスト」

「終わったら線で消していくんですね。先輩、これ私も真似してもいいですか??」

「ははっ、いいよ」



そしてこの「可愛い」は多分、後輩としてだけじゃない。