次の日、私と妙子は敬一さんを見送りに駅に居ました。

「見送りありがとう、ここでいいよ」

「敬一さん、春には帰ってくるよね、その時は歓迎会しょうね」

「そうだね、なにか余興でも妙子ちゃんが考えてくれてると楽しいけどね」

「余興ね? 紀子と二人で歌でも唄ってあげるよ」

「楽しみにしてるよ」
「紀子さん」

「はい」

「電話もメールもしますね、ぼくは、紀子さんに真直ぐ向き合います」

「はい」その言葉に涙が溢れそうになりました。

改札を抜けて行く敬一さんが、振り返り手を振り、人ごみに紛れて行ったのです。



ダイアナ、わたしは まほろば を見つけたのかな?



その春、敬一さんと二人で紅葉橋にいました。

敬一さんは、なにも語らずに、若楓の小枝を私の髪にかざしてくれたのです。
わたしの髪を撫でるように、かざす手は光り輝いていました。


ダイアナいますか?

アン、あなたが探していたギルバートは隣にいましたね。
ダイアナ、私たちは逢うことができるよね?
アン、わたしは何時もフレットとグリーンゲーブルズに居ますよ。