甘い、あまい、アマイ


私の名前は、天津 陽彩(あまつ ひいろ)。

私は特に自慢するものは無い。
強いて言えば、歌が好き。
飽きっぽいし、女子っぽくないし、明るいか暗いかって言うと暗い。

あんまりパッとしない性格。

そんな私も今日から高校生。

私が住んでるこの街は田舎で高校が一つしかないから、23人いるこのクラスには顔見知りが11人いる。

その他は別の中学だった人。

まあ、この街は中学が3つだけだし、この街は狭いし、なんか知ってるなーって人はまあいるけどね。

入学式での先輩達のセレモニー、校長の長話、
色々終わってクラス内での自己紹介が始まった。

ほとんど知ってる人であまり興味なかったけど別の中学の子のは私は聞き逃さなかった。

パッとしない私でも、人には興味あるからね。


「え~、次は出席番号3番!神崎!」

先生が言った。


「神崎 結斗(かんざき ゆいと)です。
中学ではバスケしてました。だけど高校では合唱部に入ろうと思ってます。よろしくお願いします。」


黒髪で塩顔で背丈もスラッとしている彼は、
淡々と神崎君は自己紹介を終わらせる。

うわ、、暗、、、

私が言える事じゃないけど思ってしまった。


「イケメン…」

女子達がコソコソと話す。


まあ、顔は悪くない。

てか私も合唱部希望だ。

後で話しかけてみようかな。