『なんかで切った?』 半袖から見える腕にくっきりと、一本線。 何かで切ったような痕だった。 似たような傷が2、3個程ある。 隠す素振りもせず彼女は、切った、そう答えた。 「なんか、疲れちゃって」 「目の前にあったから試しに」 試しにって…衝撃を受けた。 目の前にあったカッターナイフで自傷行為をしたのだ。 それは小学4年生の出来事だった。