「ふふっ…そうだね。ありがとう。」

綺乃はそう言って私の横を通りすぎた。

「…綺乃っ!」

私は思わず声をかけたが、綺乃はそれを無視して行ってしまった。

私はグッと唇を噛み締めて家に帰った。



…綺乃。

ごめん。

ごめんね。


今まで、ずっと先輩に虐められていたんでしょう?

あの時、私が綺乃を助けられていれば、未来は変わっていたかもしれないのに…。


ごめんなさい。

私は心から謝った。

心の中で、涙を流しながら謝った。

綺乃のメールアドレスと電話番号は変わってしまっていた。