蝶々結びをして笑って。

私は、動くことができなかった。

どうしよう…。

今助けないと綺乃が…!!

私の思いとは裏腹に私はその場から逃げだしてしまった…。


「紅月?あれ、綺乃は?」

佑は綺乃がいないことにきづいた。

「あ…え、と…綺乃のこと追いかけたんだけど、途中で見失っちゃって…」

私は咄嗟に今まで嘘などついたことのない佑にまで嘘をついた。

「そっか。…あっ!先生きたよ!」

佑は先生が来たことに気付き、席に着くことを促した。

「始めるぞ~…榎本はどうした?」

先生は「誰か榎本知ってる奴いるかー?」と声をかける。

すると、
「綺乃ちゃん、休み時間に3年の先輩と話に行って帰ってきてません」

と、綺乃に先輩が呼んでいると告げたクラスメイトが言った。

「そうかー。んーどうするかなぁ…」

先生が頭を抱えたところで、

ーガラガラガラ

「すいません、遅れました。」

教室のドアが開いてボロボロの綺乃が帰ってきた。

「綺乃っ…」

唇には血が滲み、所々制服が切れている。