「わっ…私綺乃に就く!」
「私も!!」
「俺も!」

続々と声を上げるクラスメイト達。

「「ごめん、美琴。」」

ハナとノノは美琴から離れていった。

気づけばもう私と美琴と徳井さんだけになっていた。

「美琴ちゃん、こっちに就かなくていいの?」

いつになっても声を上げない私たちにしびれを切らした綺乃が美琴に声をかける。

「うん、大丈夫。あたしね、榎本さんのこと嫌いだから。」

美琴はにこりと笑って堂々とそう言った。


「そう…あんたそういうところほんとに昔から変わんないよね。」


「ええ。榎本さん…綺乃は変わったね。そんなことする人じゃなかった。」


…どういうこと?

二人は知り合いなの?昔からって…

「あんたの知ってる私は私じゃない。紅月、あなたにもいっておくわ。昔の私はただの弱者よ。」