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蒼太 in dream

「蒼太、蒼太」
気付くと俺と千秋は光山の頂上。
なぜか病院で使ういつものパジャマ姿で、なんか場違いだ。
「ここまで登るの大変だったね」
そんなわけない光山は低い山のはず。しかし、目下には小さい俺達の街が見える。この山は高い、と思った。
「ここまで来るのに何年もかかった……」
何年? 何ヵ月の間違いないなんじゃないか?
ふと時間の感覚が鈍る。
「蒼太、あのね……」
「……」
「蒼太のこと、好きじゃないけど好き……」
「……」
「恋人とは違う好き……。もしかしたら、それ以上に好き……かも……」
「……」
「だから……だから!」
頬を赤く染めた千秋。そっと抱き寄せた。柔らかい体、伝わる体温、伝わる鼓動。千秋はまるで生きているようだった。


End





蒼太 side

頬を伝う涙で目を覚ました。
夢ははっきりと覚えている。現実のことのように。
「いつまでも……いつまでもまもってやるよ……」
その呟きは聞こえただろうか。いつかその日が来るまで待っていてくれ、千秋。


End