56
翔太 side
花火大会が終わり、家の玄関の前。
玄関開け家の中へ。
居間に行くと父さんがいた。
「翔太か、おかえり」
「ただいま」
定例の挨拶を交わしたあと、夏美の金魚を小さな水槽に入れる。元気に泳いでいるようで安心した。
ふと、父さんが声をかけてきた。
「あ、そうだ、稲田千秋ちゃんって知ってるか?」
「いや、知らない」
「勤務する病院でその子の担当になった。同じ学校だからどこかで会っているんじゃないか?」
「んー、記憶にないなあ」
「そうか」
「……」
「その子に効く新薬があって、今、使用許可の申請中なんだ。いい結果になればと思うのだが……」
「だが?」
「許可は難しそうだ」
「そうなんだ。可哀想だね、その子」
「長期入院していて自由がきかない。苦労しているんだよ」
「……」
「話が変わるが、模試の結果はどうだった?」
「B判定だった。合格する可能性は五十パーセントぐらい」
「五十パーセントぐらいか……。予備校は行かなくていいのか?」
「一人で勉強する方が俺には合ってる気がする」
「しかし、医学部は難しいぞ」
「もし落ちたらその時はその時で」
「二浪までにしてくれよ」
「わかってる。とりあえず、現役で合格するように頑張るよ」
「でもまあ、気楽にな」
「ありがと」
母さんは夜勤でいない。テーブルの上にある母さんのラップされた料理を電子レンジで温めて食べる。
幸せをかみしめつつ、母さんの料理を食べた。
End
※
翔太 side
花火大会が終わり、家の玄関の前。
玄関開け家の中へ。
居間に行くと父さんがいた。
「翔太か、おかえり」
「ただいま」
定例の挨拶を交わしたあと、夏美の金魚を小さな水槽に入れる。元気に泳いでいるようで安心した。
ふと、父さんが声をかけてきた。
「あ、そうだ、稲田千秋ちゃんって知ってるか?」
「いや、知らない」
「勤務する病院でその子の担当になった。同じ学校だからどこかで会っているんじゃないか?」
「んー、記憶にないなあ」
「そうか」
「……」
「その子に効く新薬があって、今、使用許可の申請中なんだ。いい結果になればと思うのだが……」
「だが?」
「許可は難しそうだ」
「そうなんだ。可哀想だね、その子」
「長期入院していて自由がきかない。苦労しているんだよ」
「……」
「話が変わるが、模試の結果はどうだった?」
「B判定だった。合格する可能性は五十パーセントぐらい」
「五十パーセントぐらいか……。予備校は行かなくていいのか?」
「一人で勉強する方が俺には合ってる気がする」
「しかし、医学部は難しいぞ」
「もし落ちたらその時はその時で」
「二浪までにしてくれよ」
「わかってる。とりあえず、現役で合格するように頑張るよ」
「でもまあ、気楽にな」
「ありがと」
母さんは夜勤でいない。テーブルの上にある母さんのラップされた料理を電子レンジで温めて食べる。
幸せをかみしめつつ、母さんの料理を食べた。
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