「咲楽ちゃん、これから麻酔入るから、眠たくなるよ。ゆっくり深呼吸してね」

コクン

心臓の鼓動がどんどん早くなる。

大丈夫

きっと、大丈夫

でも、もし、これが最後なら

「…………まって」

「え?」

「………………もし、私が死んじゃったら……奏汰くんに"約束守れなくてごめんね"って伝えておいてください」

そう言うと、麻酔をしてくれる先生や周りにいた看護師さんたちが一気に悲しそうな顔をした。

「……わかった。…………けど、そんなことにはさせないから。…ちゃんと、生きて奏汰くんに自分の気持ち、伝えな。」

そう言って麻酔の先生は私の頭をぽんぽんと撫でてくれた。

そのあと麻酔が入り、私は自分でもわからないうちに眠りについた。