「あっ……」

奏汰くんは私が目覚めてるのに気付いて、驚く。

きっと、私に気遣ってお母さんも早く帰らせたんだろうけど、全部、聞いちゃったよ……

「あ、咲楽ちゃ「おめでとう」

私は、出来てるかわからないけど、精一杯笑顔を浮かべて笑った。

「奏汰くん、助かるんだね!!」

そう言うと、奏汰くんはとても悲しそうな顔をする。

「ごめんね……」

「なんで謝るの?私は大丈夫だよ。奏汰くんが元気になれるなら私も嬉しいから」

そう言って、頑張って笑うけど、何故だかボロボロ涙が出てくる。

ダメだよ泣いちゃ…

これは喜ぶべきことなんだから……

ダメ止まって、涙、止まって…………

「あれ、変だな…ごめんね、なんか、勝手に涙が」

そう言いかけたところで言葉が止まる。

ギュッと奏汰くんが抱きしめてくれてる。

…………ダメだよ、好きでもない女の子にそんなことしちゃ…

「だいじょ「もう、それ以上言わないで。…………ごめん。」

私は死ぬ

奏汰くんは生きれる

こんなに距離が近いと思っていたのに、境界線は引かれていた。

そうだ、最初からこんなこと決まってたのに……