「翠の髪、朝から頑固ー!」

あれから15分私の髪と格闘をしてくれた愛華は学校に着く頃にはヘトヘトになっていた。


腰まである栗色のくるくるパーマヘアーは細くよく絡まる。朝はボンバーヘアー必至だ。
それを毎朝愛華が丁寧に見える形まで整えてくれる。




『正条関高等学校』と書かれた門を潜ると体育館が目の前にやって来た。



ピーっと笛の音がなって今度はドリブルをする音が聞こえる。

体育はバスケなのかな?と思いながら愛華とコソコソとその横を通りすぎる。


キャーーー!!とかなんとか色々な叫び声が聞こえてきた。
チラリと体育館の下窓の格子を除くと誰かが顔を押さえてしゃがんでいて、その回りを女の子やら男の子やら取り敢えず沢山の人が囲んでいる。
どうやらボールが顔にぶつかったようだ。御愁傷様。


その隙にと言わんばかりに愛華と私は下駄箱へと向かった。