第2話 サッカーを捨てた日









高校入試の面接は何とか乗り切れた。


幸いにも、

“志望動機はなんですか?”
“この学校でやりたいことはなんですか?

っていう感じで、逃げ道がたくさんある質問しか受けなかった。


【サッカーがやりたい】

その本音を隠し、

“勉強をのびのびやりたい”って嘘で固めた回答を続け、無事に合格することが出来た。




ハルイチには申し訳ないことをしたな。


自主練の誘いがずっとあったが、
“体調が悪い” “まだ治らない”

そうやってはぐらかしてずっと断った。
返信をしないことも何度もあった。


“体調が悪い”っていう嘘は結構使えるな。


残りの春休みは極力人と会わないように過ごし、なんとか高校の入学式まで辿り着くことが出来た。