「どう?」


「・・・マズい。」


「えー!!!!ホント!?」


チカが今年もサッカー部員に渡す為のチョコの試作を持ってきて、俺に試食を頼んできた。




「うわぁショック。
昨年より自信あったんだけどな~。」


「待って。俺って結構偏食なんだ。
これは多分ハルイチ達にはウケると思う。
あいつらの好きな味。」




めちゃくちゃ美味しかった。
チカの腕前は格段に上がっている。


見た目も味も、昨年試食した物とは比べものにならないぐらい美味しかった。


なのに・・・

俺が“美味しい”って言う前に【どう?】なんて聞くから・・・。



「今年はハヤタにも切れ端だけあげようと思ってたのに、もう絶対あげない!」


「なんで俺だけ切れ端なんだよ。」