“ガチャリ”
しばらくすると、ドアが開く音が聞こえた。
様子を見に行くと、重本が帰ってきたようだった。
「重本。お疲れ。」
「河原君!やったよ!僕やったよ!」
重本が俺に抱きついてきた。
「うんうん。良かったな。」
「夏目さんにもお礼言わないと・・」
「ちょっと待った。」
チカが寝ている奥のベッドを指さす。
「起こすの可愛そうだから、もうちょっと寝かしてあげよう。」
「う、うん。そうだね。」
「先生達の起床時間は何時か分かるか?」
「え~っと・・確か5時半だったはず。」
「じゃあ5時ぐらいに俺が起こすから重本ももう寝なよ。」
「うん。その前にケイコにメッセ送っておくよ。」
“ケイコ”か・・。
さっきまで緊張で汗だくだった重本が懐かしく感じる。



