「で何だった?」


「実は・・ぼ、僕には・・ずっと好きな人がいるんだ・・。」


「そうか。頑張れ。おやすみ。」


「ちょっと!まだ終わってないよ!」


「冗談だよ。それで?」


「それで・・・あ、明日・・ここここ告白をしようと思ってる。」


「そうか、うまくいくといいな。」


「それで・・河原君に協力してほしいことがあるんだ。」


「何?」


「あ、明日の夜・・消灯時間が過ぎたら・・・その子の部屋に行って・・・そこで告白しようと思ってる・・。」


「は!?女子の部屋に行こうとしてるの?
やめておけよ、先生に見つかったらやばいぞ。」


「大丈夫。先生の見回り時間は全て把握してるんだ。」


「なんでそんなこと知ってるんだよ?」


「3年の遠藤先生に教えてもらったんだ。」


「用意周到だな。」


「僕は外堀から埋めるタイプだから・・。」



「でもいきなりその子の部屋に行ったらびっくりされるんじゃないか?

2人で1部屋だから、当然関係ない子もその場にいるわけだし。」


「そこは大丈夫。
同じ部屋の子には既に事情を説明していて、協力して貰う手筈になってるから。」


「凄いな、お前の根回し。」


「僕は外堀から埋めるタイプだから・・。」



「なるほど、お前が部屋から抜け出すこと、秘密にしてほしいってことか。

安心しろ、そんなこといちいちチクらないよ。」


「ありがとう!助かるよ。」


「球技大会の時みたいにさ、ド派手なゴール決めてこいよ。」


「頑張るよ!」





さっきから重本が言う
“外堀から埋めるタイプ”
っていうのがイマイチどういう意味なのかよく分からないが、

とにかく、重本は準備万端って感じだな。


頑張れよ重本。


重本の話が終わると、俺は眠りについた。