「河原君。君という人は僕の瞑想タイムを邪魔してどういうつもりだ。」
トイレから出てきたのは長田だった。
「お前、ひょっとして修学旅行に浮かれて、それが逆に災いして腹下してたパターンか?」
「違う。胃と戯れていただけだ。」
核心を突かれて焦ったのか、長田は座席に戻っていく。
すれ違いにチカがもう1人の女子と一緒にやって来た。
「あれ?ハヤタもトイレ待ち?」
「そうだけど、先にいいぞ。
重本が入ってるからちょっと待ってな。」
するとチカの隣にいた女子がトイレのドアを思いっきり叩き始めた。
「重ちゃんはやくー!」
「えっ!山岸さん。」
トイレの中から重本の情けない声が聞こえる。



