パスタを食べ終わった後、

買った本がすぐ読めるように作られた少し広い休憩スペースに2人並んで座る。













[姉さん、私のランジェリーをどこにやったの?]


[あーら。カボチャみたいな体したあなたが着けるランジェリーなんてこの世界にあったのかしら。

アルミホイルにその体を包んでオーブンで焼かれながら大人しくしているがいいわ。]


[ひどいわ姉さん!]


[あなた・・昨日の夜のことを私が知らないとでもお思いで?]


[え・・]


[あなたがモラッタと昨日の夜一緒に過ごしたことぐらい分かっているのよこの泥棒猫!]


[違うの!誤解なのよ姉さん!]







・・・・・

「ハヤタ君。」


「・・・・・ん?あ、ごめん。どうした?」


「それ、どうかな?面白いかな?」


「めちゃくちゃ面白いよ。」



先程購入した【姉妹の価値】を片手にミサキを見ると、

何やら表紙に小難しそうな英語が書かれている本を彼女は読んでいた。


「ごめんね邪魔して。
眉間にシワが寄ってたから。」


「あ~多分。集中してたからかな。」






ダメだ。
めちゃくちゃつまらないぞこの本。


俺が男だからなのか・・。


【兄弟の系譜】は結構面白かったが、

こっちの【姉妹の価値】はとてもじゃないが面白いとは思えない。


これをミサキに貸して大丈夫なのだろうか。


そんなことを心配しながら再びページに目を移す。