「・・・お!来た。」


結局待ち合わせ時間から30分程経った頃、

ミサキが小走りで、なんならちょっと半泣きで駅の自転車置き場からこっちへ向かって来た。



「ごめんなさい!ごめんなさい!」


とにかく謝り続けるミサキを必死になだめる。


「大丈夫だって。
俺も遅れてさっき来たところだから。」


「ホント?」


「ホント。」




駅まで一生懸命自転車こいで風にあおられたんだろう。


ちょっとボサボサになったミサキの髪を整える。


「あ、ごごごめん。」


「寝坊したの?」


「5時に起きて・・・いつの間にか二度寝しちゃってた・・。」


「5時っておばあちゃんみたいだね。」


「ごめんなさい・・。」


「冗談だって。
暑くなってきたしそろそろ行こうよ。」


「う、うん。」