やばい!!見透かされてる!
長田め・・俺にカマかけてきやがったな。

まんまとハマっちゃったじゃないか!





「そうか。重本君に僕のことは聞いてくれたみたいだね。」


「参考までに聞くが、お前には何が見えてるんだ?」


「正直に言おう。
死神というのは僕が勝手に考えたものだ。

だが君の背後には黒いモヤのようなものが見える。

いつもという訳では無いが、特に誰かと会話をしている時にそのモヤが僕に見える。

先程の夏目さんとの会話中の時のようにね。

それから初めて君と喋ったときにも言ったが、君には死相が出ている。」



「それで、俺にそれを伝えてどうしろって?」


「今すぐ松尾ミサキさんとは別れた方が良い。」


「は!?」


「黒いモヤは明らかに悪いものだ。
君がいつも1人で行動しているのもこのモヤが関係しているのだろう?」


「関係ないって。」


「いつかそのモヤが他人に危害を加える可能性だってある。

夏目さんとは朝と帰りに話をするぐらいだから問題ないと思うが、

君が今付き合っている松尾さんが不幸になったらどうする?」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」


「・・・・・・」



「・・・分かってないな長田。

お前は人と少し違うものが見えるっていうのは認めてやるよ。

だけど、お前は何も分かっていない。」



「どういうことだ?」



「仮に本当に俺の背後に黒いモヤがあるとして、

それが何なのか分からないくせに、悪いものって決めつけるなよ。

悪くない可能性だってあるんだぞ。

その黒いモヤが俺の命の恩人だったら何て言うつもり?」